
良いコーティングショップの目印? 積載車編

予算や要望など人によって”良いショップ”が違うこともあり、難しいコーティング専門店選び。でも「失敗したくない」というのも普遍のユーザー心理。
今回は、コーティング剤や磨き技術、施工実績などとは少し変わった視点から「良いショップ」探しの参考になる情報をご紹介。それが大切な愛車を運搬する「積載車」。一般カーオーナー視点だとあまり馴染みがないかもしれませんが、一般カーオーナーにとっても便利な上、意外にディテーリングショップの特性を示す設備でもあるのです。
ちなみにkiramekiもオプション満載の積載車を保有しています! 気になる方は詳細はコチラのブログ記事からご覧ください。
カーオーナーにとっての2つのメリット
まずはカーオーナーにとって直接的なメリット2点から。積載車を保有していれば必ずという訳ではありませんが、個人客にも対応しているショップの場合、特に「忙しいから多少お金がかかっても愛車を輝かせたい」という人には便利に活用できます。
メリット1:楽々! 自宅やディーラーへの引取・納車
積載車の最初にして最大のメリットが「自走なしで愛車を運搬できる」こと。多くの積載車保有ショップは、主にこれを新車ディーラーや中古車販売店との取引に活用していますが、ショップによっては個人客の引取・納車にも対応しています。もちろん施工費とは別に運搬費がかかりますが、「忙しくてお店に行けない」といった人には最適。また施工内容のボリュームが大きかったり、お得意様(ヘビーリピーター)などではサービスするケースもあります。
そして、自宅への引取・納車に加え、特にコーティングやペイントプロテクションフィルム(PPF)施工で真価を発揮するのが新車購入時。愛車が自宅に納車される前のディーラーにある状態で引き取れるため、“本当の新車状態(それでもディーラーに届く時点で少なからず動いていますが)”で施工することができます。
これも慣れているショップであれば、連絡先を伝えるだけで後はショップとディーラーで引取の段取りを組んでくれるので、カーオーナーの手間は抑えつつ納得いく専門店品質の仕上がりを楽しめます。

メリット2:自社保有の積載車だと安くて丁寧!
積載車での運搬は、必ずしも自社保有でなくても可能で、陸送の専門事業者に外部委託しているケースもあります。ただ、あくまで傾向的な一般論ではありますが、積載車を自社保有しているディテーリング専門店ならではの良いことも。
1つ目が、自社保有なので運搬費が安価な傾向にあること。外部委託だと1件ごとに費用が発生しますが、自社保有の積載車の場合、例えば近隣エリアの他案件と組み合わせて原価を抑えることで1件あたりの運搬費を抑えたり、前述した大掛かりな施工やお得意様へのサービスというのも自社保有ならでは。
そして2つ目が、自社保有の場合は“その道の専門店”自らが運搬するので、美観に最大限に配慮して運搬するということ。一言に自動車の陸送といっても、積載車の仕様も運搬するスタッフも千差万別。ディテーリング専門店保有の積載車の場合、積載車は地上最低高の低い車両やホイールなどへの傷つきリスクを抑える仕様となっていることが多く安心。また積載・運搬・積み下ろしの各ステップも、万が一汚れ・キズが付着した場合、自社の施工作業に影響をきたしたり、納車時の仕上がり品質の低下に繋がりかねないので、一際細心の注意を払っています。※陸送専門事業者が粗雑に扱う、という訳では決してありません

積載車から垣間見えるショップの信頼と覚悟
続いて、カーオーナーにとっての直接的なメリットではなく、積載車を保有していることから窺い知れるディテーリング専門店の特徴を2点ご紹介。これも絶対の基準ではなくあくまで傾向目安ですが、業界構造に由来する1つの特性として意外に「お店選び」の参考になるかもしれません。
積載車保有ショップの特徴1:自動車販売店からの信頼
前述した通り、積載車は多くのショップでディーラーや中古車販売店といった自動車販売店との取引で活用されています。逆にいうと、積載車を保有しているショップは自動車販売店との取引が多いショップということ。そして、その自動車販売店との取引(BtoB)が多いディテーリング専門店は、絶対ではありませんが、自動車販売店の厳しいチェックをクリアしている品質と見ることができるのです。
一般的にディテーリング専門店の顧客は、大きく事業者(自動車販売店や鈑金塗装工場など)と一般(カーオーナー)に大別されます。ショップによってどちらの割合が多い、得意というのは異なり、一概にどちらが良い・悪いとは言えません。ただ、一般顧客が多いショップはウェブサイト・SNSなどでの情報発信や接客が丁寧、事業者顧客が多いショップは施工が効率的・均一品質といった特性は1つの傾向と言えるかもしれません。
そして、特に高級車ディーラーなどからの委託業務では、実は相当に厳格な品質チェックが行われています。一般顧客が専門店に依頼するのはおおよそ何年かに一度ですが、ディーラー担当者は毎月数台もの頻度でコーティングを外部委託しており、施工品質を見極める目は相当に肥えていることも。そのディーラーなどからの仕事を受注しているショップ、ましてや高額な積載車を自社保有してまでそれを継続しているショップは、もしかしたら接客に不慣れなケースもあるかもしれませんが、施工の面では一定の品質をクリアしている可能性が高いのです。

なので、「とにかく施工品質的に間違いないとこを探したい」という場合は、例えば高級自動車販売店がよく委託している専門店などを探してみるのも1つの手で、積載車の存在がその際の目印になりうるのです。
積載車保有ショップの特徴2:本気度の高い設備投資
もう1つディテーリング業の業界的特徴として、「無資格・小資本でスタートできる」というのがあります。店舗を持たず出張で施工する人、自宅ガレージ+アルファ程の小規模なスペースで施工する人も、専門ブース+積載車まで保有するショップも、肩書きだけ見ると等しく「プロディテーラー」なのです。
その上で、ディテーリング業の設備を拡張していく上で優先度が高いのは、ポリッシャーや純水器、屋根付きの施工場、照明、空調などなど。実は積載車は、なくても施工はできるので優先度としてそこまで高くありません。しかも積載車は、安価なタイプや中古車であっても高級国産車並には高額です。
逆にいうと、その積載車を自社保有しているショップは、それを導入できる資本がある、あるいはそれを回収する覚悟があるとも見ることができます。一般的な事業の設備投資という観点だとそこまでの特性に見えませんが、業界的に小資本事業者(個人事業主含め)が多いディテーリング業界だからこそ、積載車が資本や継続性といった事業の信頼性を指し示す1つの指標になりうるのです。

上記のメリット・特性は、あくまで1つの傾向で、一概に「積載車を保有しているショップが良い・偉い」というわけでは決してありません。
ただ、サービス品質の明確な指標がなく、ウェブサイトに並べられた“技術”“こだわり”ではお店選びがとても悩ましいコーティング施工。運搬サービスを使う使わないは別としても、ショップの事業実績の裏付けとも見ることができる「積載車の有無」を、お店選びの参考材料の1つにしてみてはいかがでしょうか。
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北山友幸
業界の名店カービューティーマックスで修行の後、2013年に独立して自分のショップを構えたプロディテイラー。業務歴はベテランだが業界では若手。北九州出身の洗車&SUV好き。
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