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ガラス? セラミック? 今のコーティング事情

ここ数年、業界ではセラミックコーティングという商品が広まり、カーオーナーから問い合わせをいただくことも増えました。「これまで主流だったガラスコーティングとは違う?」「セラミックコーティングの方が高性能?」…。 もちろんメーカー・製品ごとにも違い、また全てを検証したわけではありませんが、コーティング専門店kiramekiでは今のところこのように見ています。

  • INDEX

  • 結論! 効果や定義として「明確な差」はない

    現在、弊社では「セラミックコーティング」と「ガラスコーティング」の両製品をサービスにラインナップしています。

    • GTECHNIQ(ジーテクニック):イギリスのセラミックコーティング
    • NASIOL(ナシオール):トルコのセラミックコーティング
    • kiramekiオリジナル:国産のガラスコーティング ※24年10月現在

    上記の順で、撥水や耐久性などのコーティング効果に応じてサービス価格も松竹梅となっています。しかし、セラミックコーティング=高級・高性能というわけでもありません。弊社では大きく以下の3つの理由からそのように考えています。

    廉価タイプもある

    上記の海外メーカーを含め、多くのセラミックコーティングブランドが高級タイプから低価格タイプまで幅広くラインナップ。その全てに「セラミックコーティング」の名称が付けられており、セラミックコーティング=高価格というわけではありません。

    メーカーの見解

    ジーテクニックでは、『ガラスコーティングもセラミックコーティングも主成分は同じ二酸化ケイ素(SiO2、シリカ)となります。そのため、「ガラス」「セラミック」という成分があるわけではなく、成分だけではガラスコーティングとセラミックコーティングを明確に棲み分けることは出来ない』『日本ではガラスコーティングという名称で普及したのに対して、海外ではセラミックコーティングという名前で普及した』(公式サイトより引用)との見解を示しています。同社以外のコーティングメーカーと情報交換をさせていただく中でも同様の見解を耳にします。

    実際に使用・検証した感触

    弊社では年中、社用車などを使って正式にサービス導入していない様々なプロ用コーティング剤を試しています。同じパネルの中で塗り分けで経過観察して、というのを繰り返していますが、セラミックコーティングの中でも「これは良い!」と思えるものもあれば、「全然撥水しない」「艶感が出ない」「その割に塗りづらい」といった製品も全然珍しくありません。

    これらの経験・情報から、少なくとも自動車コーティング・カーケア※においては、「従来から国内で主流だったガラスコーティングと近年流行りのセラミックコーティングが成分や効果で明確に分類できるものではない」、また「セラミックコーティングと一言にいっても必ずしも高級・高性能ではない」と考えています。※産業用途ではまた別の定義・技術の「セラミックコーティング」があるようです。
    弊社サービスの上位メニューとしてジーテクニック、ナシオールを採用しているのも「セラミックコーティングだから」ではなく、「自社で検証した結果、優れたコーティングだったから」というのが理由です。


    実際には違う部分も! 海外製品に感じる“尖った性能”

    とはいえ、実際にコーティング剤に日々触る立場から見ると、「ガラスコーティング」と「セラミックコーティング」で違いを感じる部分もあります。

    その1つが「塗りづらさ(施工の難しさ)」です。
    特に近年の高性能コーティングは、一定に空調(温度・湿度)管理した環境、乾燥・ムラなどを生じさせない素早い作業、とても重たく毛がつくリスクも高い拭き取りなど、実は研磨だけでなく塗布の工程においても相応の技術ノウハウが必要です。そしてセラミックコーティング(というより海外製コーティング)は、その施工性が難しい製品が多い傾向にあります。その一環で塗装面との相性が繊細な製品も多く、例えば「高温多湿(夏場など)×国産車の塗装」といった特定の環境・組み合わせによっては、ムラが生じたり微細傷が浮かび上がってきたりと、とても重大なトラブルを呼び起こすことも。そのため、車種・塗装状態や時期によってはセラミックコーティングの施工をお断りするケースもあります。

    この要因と思われることの1つが成分(製造環境)の違いです。弊社はあくまで施工のプロショップで、ケミカル製造のプロではないので伝聞情報や推測になりますが、いくつかのコーティングメーカーとの情報交換によると「規制で化学成分の制限があり、国内製造では使用・配合できないが海外コーティング剤には配合されている成分もある」とのこと。実際、海外製セラミックコーティングは液剤の匂いの時点で独特で、成分や溶剤が国産製品とは違うことが窺えます。

    そしてこの「塗りづらさ」は、弊社で検証している限りでは「塗りづらいコーティング剤は効果が良好な製品も多い」という実感も。拭き取りは重いけど艶感が良い・すべすべ感(スリック性)が良い、耐薬品性が高くクリーナー(薬品)を使っても撥水がしっかり戻る、など被膜の強靭さ・重厚感は1つの傾向として捉えています。

    ただ、繰り返しになりますが「塗りづらいし効果もイマイチ」な製品もあるので、一概に「海外製=良い製品」というわけではありません。
    また、「塗りづらさ」は直接カーオーナーには関係のないことですが、「塗りづらい=作業時間がかかるor作業ミスのリスクが高い=施工費を高く設定する」という図式は成り立ってしまいます。さらにセラミックコーティング(=輸入物)は単純に輸送コストがかかるのでショップにおける仕入れ価格は高め。
    なので、成分や定義として「セラミックコーティングとガラスコーティングに明確な違いはない」ものの、実情でいうと「塗りづらく高性能な製品が多い」「サービス価格が高め」なのは1つのセラミックコーティングの傾向といえるかもしれません。


    国産コーティング剤も進化中! 施工性と安定品質が魅力

    一方で国産コーティングも全然負けていません。海外ブランドの方がパッケージだったりサイトだったりのプロモーション面でのデザイン性が高く、目に映る限りでは気になりやすいもの。ですが、むしろ日本のカーコーティングの歴史は国内メーカーの良質なガラスコーティング剤が引っ張ってきたといっても過言ではなく、弊社でも数多くのメーカー・製品を使用しています。例えば以下の2つは現在kiramekiでも使用しているイチオシ品です。

    クリスタルプロセス「ハイテクX1ダイヤモンドコート」

    広島県にあるコーティングメーカー。自社ブランド商品の販売より企業・ショップへのOEM供給の方がメインのようで、一般的なメーカー・商品名の知名度は高くありません。ただ、業界では多くのプロが安定した品質に信頼を寄せて使っています。
    ハイテクX1ダイヤモンドコートは、ダイヤモンド微粒子の配合で強度・撥水性を向上したというガラスコーティング。もちろんダイヤモンドは肉眼では見えず化学的ロジックの詳細は…。ですが、施工後に数日間乾燥・硬化させた後の撥水は高価な海外製セラミックコーティングにも引けを取らないレベル。「海外有名ブランドが良い!」などのこだわりがないのであればkiramekiが自信を持って提案できるガラスコーティングです。

    ソフト99コーポレーション「G’ZOXガードグレイズ

    ガラコやフクピカなどでもお馴染みのカー用品メーカーで、G’ZOXは同社のプロ用コーティングブランド。日本の業界ではガラスコーティングの黎明期から親しまれ、特に施工しやすい「リアルガラスコート」は、コーティング専門店だけでなく整備・鈑金ショップや新車・中古車販売店など多くの自動車ショップで活用されています。
    実は専門店としては、G’ZOXに「施工性に特化した効果そこそこなコーティング」というイメージもありました。撥水やすべすべ感という施工直後の効果もですが、経年後も耐薬品性が高い近年の海外製セラミックコーティングの方が「撥水の戻り」が良いように見受けていたのです。ですが、24年5月に新発売された「ガードグレイズ」という製品は、施工のしやすさはそのままに撥水やスリック性、耐薬品性がとても良好で、「国産ガラスコーティングも進化しているなぁ」としみじみ感じた次第です。

    この上記2製品以外にも、弊社で検証した上で「良質なコーティング!」と自信を持って案内しているガラスコーティングはたくさんあります。また逆説的になりますが、国産ガラスコーティングの場合仕入れコストが抑えられるので、セラミックコーティングに比べると施工価格が安い傾向にあります。
    例えば、日常的に走行したり雨や太陽光にさらされがちな屋外保管だったりと、メンテナンスの重要度が高い車両の場合。「性能は高いけれど施工が難しく価格も高め」なセラミックコーティングを一度施工するよりも、「施工しやすく性能も十分、価格が手頃」なガラスコーティングを施工して残りの予算で日頃のケア・定期メンテナンスを充実する方が、結果的に愛車の美しさを堪能できる時間は長くなるでしょう。

    何を求めてコーティングを施工するか

    近年流行りのセラミックコーティング。確かに「ブランド観がオシャレで高級感ある」「一部のセラミックコーティングのつるつる感がずば抜けて良い」「耐薬品性は海外製の方が優れている製品が多い」などなど、良く見える部分、実際に良いと思える部分もあります。私もプロであると同時にイチ洗車好きとして、いろいろなカーケア用品を調べたり新しいものが気になったりする気持ちもとてもよくわかります! 

    ですが、あまりに情報・イメージが先行し過ぎてしまうと、本来自分に合っているコーティングを見過ごしてしまう可能性も。弊社に限らずプロショップ・ディテイラーは、メニュー・看板に出すか出さないかは別として、日頃から様々なプロ用コーティング剤を試しています。「セラミックコーティングかガラスコーティングか」といったことをはじめ、気になるアイテム・情報があったら、まずは話しやすい近所のプロに相談してみることをオススメします!

    プロが見る最新カーケア

    コーティング専門店のプロの目線で、愛車をキレイにする・美観を維持するためのカーケアの最新動向・お役立ち情報を発信。愛車の輝きをいつまでも…。そう願うカーオーナー様はぜひ一度ご一読ください!

    北山友幸

    業界の名店カービューティーマックスで修行の後、2013年に独立して自分のショップを構えたプロディテイラー。業務歴はベテランだが業界では若手。北九州出身の洗車&SUV好き。

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