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第3の選択肢も出てきた最新「カーラッピング」事情

フィルムでボディを包むカーケアでプロテクションフィルムの紹介をしましたが、実は弊社へのお問い合わせでは「ラッピング」という言葉が寄せられることも多くあります。ラッピング自体は、コーティング程ではないにしてもある程度認知されてきているのかなぁと感じる言葉ですが、お問合せ内容をよく聞くと「透明なラッピング=プロテクションフィルム」を指しているケースも。

今回はそれぞれのフィルム施工の違いを、業界内の慣習と合わせて解説。コーティングとはまた違った魅力があり、またコーティングとの合わせ技も有効です。

  • INDEX

  • 大きく3タイプに別れるラッピング

    そもそもよく一言で「ラッピング」といいますが、業界内では貼るフィルムの材料により3タイプに大別され、それぞれに機能や貼り方も異なります。

    ラッピングという言葉自体は英語の「Wrapping(包装する)」なので、「クルマのボディをフィルムで包む」という意味では全て「カーラッピング」と呼んで間違いないようにも…。ただ、普及した順番などもあってか業界内ではそれぞれの表記・呼び名が分かれています。
    ※同じ自動車用フィルムでも、窓ガラスに貼るのはカーフィルム、ウインドウフィルムなどと呼ばれていて、これはまた別の機会に紹介します。


    1:カーラッピング

    ディテイリング関連の世界で「ラッピング」というと、主に塩化ビニル(PVC)を素材とするフィルムを貼ってドレスアップ(装飾)することを差します。実はこのラッピングも、大きく2つに分類されます。

    カラーチェンジ

    単色のフィルムで愛車のカラーをがらっと変えられます。個人のクルマの世界で「カーラッピング」というとこちらを指すことが多いです。
    本格的に普及し始めたのは、曲面が多いボディにも貼れるように自動車専用フィルムが登場した2010年頃〜。ボディ用フィルムでもプロテクションフィルムなどに比べて早くから広がり始めたため、「ラッピング(包む)」の名称をそのまま使ったサービスとして認知されています。

    フリートマーキング

    個人の愛車というよりも商用車・法人車両を対象としたラッピング。マーキングフィルム(カッティングシートという呼び名でも有名※)という色付きフィルムをカットして文字を貼ったり、インクジェットメディアという印刷用シートを使って複雑なデザインを貼り付けたりと、主に車体で広告表現する際に使用されています。商用車に限らず、個人車両では痛車などはこのデザイン出力を活用したカスタムです。※カッティングシートは中川ケミカルの商標

    ラッピングの魅力はなんといっても高いデザイン性です。豊富な色数の単色フィルムだけでもソリッド/メタリック系、グロス/マットと多彩で、中にはカーボン調や木目調、レザー調などテクスチャがプリントされたカラーフィルムも。また前述のようにインクジェット出力やマーキングフィルムを活用すれば、表現の幅は無限大です。
    また、プロテクションフィルムに比べるとフィルムが安価なため、施工サービス価格も抑えられるケースが多いのも魅力の1つでしょう。

    一方でこのカーラッピングは「装飾」が第1の目的。よく「塗装面を傷から守れる」という宣伝も見かけますが、あくまで副産物で、後述のPPFのような保護目的のフィルムではないのでそこに過度な期待はしないようが吉。フィルムの耐久性(経年や紫外線による劣化)も後述するプロテクションフィルムよりも短めな傾向で、経験上、屋外保管の場合は1年程度で劣化が生じることも。また、劣化したフィルムは剥がす際に塗装面を傷めてしまうリスクもあるので注意が必要です。※適切な期間、方法で剥がすことで塗装面への負荷も抑えられます。


    2:ペイントプロテクションフィルム(PPF)

    主に熱可塑性ポリウレタン(TPU)素材のフィルムを貼ってボディ塗装面を守る施工サービス。ポルシェのストーンガードなど一部での活用は昔からあったものの、ボディ全体など広範囲に貼るサービスとして本格的に広まってきたのは2010年代後半から。先行する「カラーチェンジ(カーラッピング)」との区分もあってか、同じボディを包む作業ながら「プロテクション」「プロテクションフィルム」といった呼び名で浸透しており、ここ数年はカーラッピングを凌ぐ勢いで急速に広まっているようです。

    文字での表記ではPPFと表記することも。ちなみにヘッドライトに貼るのもボディ用と同じ素材のプロテクションフィルム。ライトは塗装面ではないので厳密にいうとPPFではないので、ヘッドライトプロテクション(HLP)やライトプロテクションフィルム(LPF)といった表記もありますが、PPFの一環と扱われているケースも少なくありません。

    プロテクションが急速に広まる要因の1つが高い保護力という機能性です。フィルムメーカーによっても多少異なるものの、ラッピングの約100μmに対してPPFは150〜200μmの厚みで、TPU素材の柔軟性や弾性も高い保護力に寄与。愛車を傷や汚れから守れるというのは、現時点ではコーティングにも勝る安心感をもたらします。

    ただ、高機能素材のためフィルム自体が高価で、施工サービスもカーラッピングより高価であるケースが多いです。また、基本的に透明なフィルムが多いため、パッと見の変化はありません。塗装面の厚みが増すことで艶感が出たり、マットタイプのPPFを貼ることでマット化するなど多少のドレスアップ効果もありますが、あくまでPPFは保護目的のアイテムです。


    3:カラープロテクションフィルム(カラーPPF)

    そして近年、世界的に注目が高まっているのが、「カーラッピング(装飾)」と「プロテクションフィルム(保護)」の両方を一度に実現できる新素材「カラープロテクションフィルム(カラーPPF)」です。2010年代終わり頃から製品としては出始めていましたが、ここ数年は開発・販売するメーカーが急増。世界最大級のアフターマーケットの展示会「SEMAショー」でも年々展示が増え、24年11月のSEMA会場には多くの新たなカラーPPFが展示されていたようです。

    ※出典:アメリカの業界メディア『Window Film Magazine』

    プロテクションフィルムの名前の通り、主素材はポリウレタン(TPU)で透明なPPFと同じ。それにメーカーごとに独自の技術で着色されていて、高い保護機能とキレイなカラーリングを両立させています。
    保護とカラーチェンジを一度にできるメリットに加え、単純に見た目の点でも優れており、特に際立つのがグロス(艶)感。例えば同じソリッドブラックでも、全般的にラッピングフィルムに比べて厚みがあるカラーPPFの方がキレイで質感に優れていて、これはプロでなく一般の人でも感じるレベルの差があると思います。※メーカー・製品によって差はあります

    一方でネックなのが、出始めの素材ゆえにとても高価であること。フィルム材料費が高価で、また施工するプロも少ないのでサービスとしてとても高価。加えて業界全体で施工実績もそう多くないので、耐久性など実質的な品質に関する情報も限られています。
    また、単純にデザイン性という点でも、カラーバリエーションはまだどのメーカーもラッピングフィルムに比べると限られるため、選択肢の多さを取るか、フィルム面のキレイさ・艶感を取るかは別れるところでしょう。

    ただ価格や耐久性、製品バリエーションなどは、今後素材開発が進み、製品や取り扱い施工者、実績が増えてくれば、カーオーナーにとって良い方向に動いていく可能性もありますし、私もカーケアの1ジャンルとして注目しているアイテムです。


    実はコーティングとも相性良し

    ボディをフィルムで包むか液剤(コーティング)で包むかという二者択一のようにも思われますが、最近はフィルムとコーティングのセット施工も増えてきています。

    PPFであればフロント周りにPPF、それ以外のボディにコーティングといった組み合わせが定番ですし、カーラッピング、カラーPPFでは、コーティングのついでにボンネットやルーフ、ミラーやスポイラーだけなどワンポイントでデザインアクセントをといったオーダーも人気。また、貼り付けたフィルムの上に専用コーティングを塗布することで、その美観をより長持ちさせることも可能です。


    複数の施工を依頼する時は…

    3つのボディフィルムサービス、実は同じ自動車用フィルムでもそれぞれに貼り方(技術や設備も)が違うため、プロ施工者でもラッピングとプロテクションフィルムそれぞれに得意、不得意があったりします。カラーPPFにいたっては、まだ取り扱っているショップ自体がそう多くありません。

    もしラッピングやプロテクションフィルム、さらにはコーティングなど複数のメニューをセットで施工する場合、「それぞれの専門店に依頼する」のも1つの手でしょう。ただkiramekiとしては「1つのショップを窓口にする」ことをオススメしています。その理由は大きく3つ。

    • 価格/手間を減らせる
    • 施工後(メンテやトラブル)も1ストップ
    • プロの方が良い店・職人を知っている

    1ショップで施工した場合、もちろん持ち込む回数は1回で済むので楽。施工後のメンテナンスも同様で、またショップ側も一度に同時作業できるため、ショップによってはセット施工の割引を設定している場合もあります。
    さらに、預けた車両や施工してもらった内容に万が一故障や不具合が発生した際も窓口が1つだと相談しやすく、逆に複数のショップに依頼しているとトラブルの原因の追及が困難となってしまう可能性もあります。

    そして肝心の品質の面でも、1ショップに依頼した方が有利になる可能性があります。というのも、業界プロの方が「表で目立たないけど本当に上手いプロ」を知っている可能性が高いからです。
    ラッピングやプロテクションフィルムもコーティングと同様、その施工品質を見極める材料が乏しく、ウェブサイトなど外から見るだけでは判断しにくいもの。ただ、特にラッピングやプロテクションフィルムでは、自社内での施工もありますが、外部のショップ・職人と連携して施工するケースも少なくありません。そしてプロ同士の情報交換や施工実績などから「有名ではないけど本当に上手いショップ」や「ショップは構えずカーオーナーからの依頼は受けないけど、ショップに出張して貼る腕の良い職人」など、“一般カーオーナーが辿りつきづらい凄腕”と協力しているケースも多いのです。

    かくいう弊社も、私自身はフィルムを貼るのは上手くなく、美観の見極めは厳しいと自負する弊社クオリティの下、キレイに貼ってくださるパートナーと連携してサービス提供しています。
    弊社の場合、ルーツはコーティングサービスですが、カーオーナーの愛車を美しくする、維持するのがミッションと考えており、液剤、フィルム、装飾と手段問わず提供できる体制(自社内施工だけに限らず)を整えています。

    もし複数の施工サービスを検討していたら、まずは近くで「まるっと相談できるディテイリングショップを探してみる」のが良いのではないでしょうか。

    プロが見る最新カーケア

    コーティング専門店のプロの目線で、愛車をキレイにする・美観を維持するためのカーケアの最新動向・お役立ち情報を発信。愛車の輝きをいつまでも…。そう願うカーオーナー様はぜひ一度ご一読ください!

    北山友幸

    業界の名店カービューティーマックスで修行の後、2013年に独立して自分のショップを構えたプロディテイラー。業務歴はベテランだが業界では若手。北九州出身の洗車&SUV好き。

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